勇敢な久米の子らの畑にはニラが一本植えてある。
そのニラの根と芽をつないで、一緒にして、
さんざんに撃ってしまおう。

歌い手:久米人=大久米命(おおくめのみこと)
出 典:敵を歓待して騙し討ち、実兄殺されたリベンジも果たして東遷コンプリの神武天皇
章立て:8.神武天皇

大久米命(おおくめのみこと)縦480px神武天皇の東遷において、途中、神武の実兄が瀕死の重傷を負う大敗を喫した登美能那賀須泥毘古(とみのながすねびこ=ナガスネビコ)に対して、リベンジを果たした際に歌われた最初の歌。

宿敵ナガスネビコにリベンジを果たした際に歌われた歌は三首も残されています。それぞれテーマとして取り上げられたものを上げれば、ニラ、山椒ヤドカリ。そのうちのニラです。

これらの三首の歌は「さんざんに撃ってしまおう」「さんざんに撃って、殺っちゃおう」などで締められているのも特徴。相当殺伐とした歌ではありますが、東征における戦いの激しさを物語るものとも言えそうです。

ただし、殺伐としながらも、何か大らかな、ユーモアラスなものを感じるのは現代人特有でしょうか。進取の気概がそう感じさせているのかもしれません。

これもいわゆる久米歌となります。

【一言切り取り】
大久米命「ちっ、次から次へと…」
神武天皇「もっと上品にしよぜっ!」

※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。

威勢のよい久米の人々の
アワの畑には臭いが一本ぽん生はえている。
その根のもとに、その芽をくつつけて
やつつけてしまうぞ。

【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集

【関連キャラ】
大久米命 - 神武の片腕は斜に構えた万能の自信家

前へ | 歌一覧 | 次へ