もう真っ暗ですよね。
でも、あなたは朝日のように爽やかにやってきて、
私の細くつややかな腕、
淡雪のような若く白い乳房をそっと抱いてくれることでしょう~

そして 手をぎゅっとにぎってください。
玉のような美しいわたしの手をからめてほしい。

足をのばして、くつろいでいただくこの家なのに、
あまり寂しい恋はしないでね。

歌い手:沼河比売(ぬなかわひめ=ヌナカワ)
出 典:「イイ女がいる? どこでも行くよーん」オオクニヌシ、全国飛び回る
章立て:4.オオクニヌシ

沼河比売(ぬなかわひめ=ヌナカワ)縦480pxヌナカワが、大国主命(おおくにぬしのかみ=オオクニヌシ)からの求愛の歌に対して、返した二つ目の歌。

先に、少し焦らし、いなしているような歌を返していましたが、今度は一転、非常に積極的にオオクニヌシを受け入れることを宣言するような内容。

古事記では、一首目と二首目が連続して掲載されており、素直に読むと、一首目のすぐ後にこの二首目が歌われているような感じを受けます。

ヌナカワちゃんにどのような心変わりがあったのでしょうか? そんな想像を、まず掻き立てられます。

そして、その内容もエグイ。美女からこんな歌を送られたら辛抱たまらんでしょう、普通。それでもオオクニヌシ、この日の合体は我慢します。エライッ! 古事記でも明記されていますが、ふたりの結婚初夜は、これらの歌との取り交わしの翌日のこととされています。

「神語り」の結末句「お語りいたすはかくのごとくに」がある歌です。

【一言切り取り】
ヌナカワ「乳房を優しく包んでください…」
ヌナカワ「手を、ぎゅっと握って、絡めてください…」
ヌナカワ「楽しい、恋愛しよっ」

※下記は、現代語譯 古事記 稗田の阿禮、太の安萬侶 武田祐吉訳による現代語訳。上のぶっちゃけ訳とも見比べてください。

青い山に日が隱かくれたら
眞暗な夜になりましよう。
朝のお日樣のようににこやかに來て
コウゾの綱のような白い腕、
泡雪のような若々しい胸を
そつと叩いて手をとりかわし
玉のような手をまわして
足を伸ばしてお休みなさいましようもの。
そんなにわびしい思いをなさいますな。
ヤチホコの神樣かみさま。

【古事記の傾向と対策】古事記に収録されている歌113首の索引、リンク集

【パワースポット】
能生白山神社 - 古事記の恋愛劇ヒロインの一人、ヌナカワにあやかる

【関連記事】
古事記の白眉! オオクニヌシとヌナカワ姫のラブロマンス・オペラ【北陸新幹線と古事記】

【関連キャラ】
ヌナカワ - 臨場感ありすぎる恋愛劇のヒロイン

前へ | 歌一覧 | 次へ