熊襲建 ヤマトタケル11.ヤマトタケル
11-2.熊襲征伐


父の女を横取りした兄をいきなり殺しちゃう小碓命(おうすのみこと=オウス)をパネェと思った景行天皇は、オウスを遠くに退けたく思い曰く。

景行天皇「西の方に熊襲健(くまそたける)という二人の男がいて、朝廷に服従しない無礼なヤツらだから、殺っちゃってきて」

この時、オウスはまだ15、6歳で、髪も子供の髪型のまま。出発に先立って、叔母の倭比売命(やまとひめのみこと=ヤマトヒメ)の衣装を貰い受け、剣を懐に入れて出かけて行きました。

熊襲健の家の近くに着くと、どうやら家を新築しているよう。間もなく新築祝いが開かれるということで、オウスはその当たりをぶらぶらして時間をつぶしました。祝いが始まるにあわせて、オウスは髪を下して、少女のようにお下げ髪にし、ヤマトヒメの衣装をまとい女装。史上初の男の娘(でも殺人鬼)。

女たちに混ざって、家の中に入っていくと、熊襲健の二人の兄弟はその少女を見初めて、いい女だね~と思って、自分たちの真ん中に侍らせ、じゃれ楽しみました。じゃれあってもバレなかった、オウスの演技力、パネェ~

06ヤマトタケル原本200宴もたけなわになって、オウスはいきなり行動を起こします。懐から剣を出して、まずは兄の方の着物の衿をつかんで、胸に剣を突き刺します。剣は背中まで貫通。バカ力ですな。

弟はそれを見てびっくり仰天、逃げ出します。しかしオウスはすぐに追いつき、その背中の皮をひっつかんで、剣をケツから刺し通します。痛そ~。痛みをこらえて弟曰く。

熊襲健の弟「ちょっとちょっと、その剣抜かないで。剣抜くと死んじゃうから。ちょっと言わせて」
オウス「どぞっ」
熊襲健の弟「(剣がケツに刺さったままで)あんた誰?」
オウス「景行天皇の子で、オウス! よろ!」
熊襲健の弟「……」
オウス「なんでもお前たち熊襲健が朝廷に従わない無礼なヤツだって言って、オヤジに殺ってきてって命令されたんだよね~」
熊襲健の弟「……なる。。それは俺たちにちげえねぇ~。でも、大和にはオレたちより強い人間がいたってこった。だから、今度から倭建命(やまとたけるのみこと=ヤマトタケル)と名乗っちゃいなよ」

言い終わったみたいなので、ヤマトタケルは熊襲健の弟を柔らかいウリでも切るように、切り裂いてしまいました。ケツから。

※画像は、「熊襲建 ヤマトタケル」Google画像検索結果のキャプチャー。

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オオウス - 天皇が召した美人姉妹を横領 悲惨な最期
熊襲建 - 男の娘の色香に迷って暗殺された豪勇の兄弟

【古事記の神・人辞典】
景行天皇
・オウス(ヤマトタケル
ヤマトヒメ

熊襲建

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